建築探訪シリーズ銭湯:久松湯
今日は久々に日本一おしゃれ(自分基準)な銭湯久松湯に行ってきました。
銭湯苦難の時代
東京の銭湯は10年前はおおよそ1,000ほど浴場があったのですが、近年の経営者の高齢化と
不動産バブルで銭湯をマンションにするなどで、一気に500まで減ってしまいました。
実際に私が知っている限りでも7件もの銭湯がつぶれてそのあとにマンションが建ったと記憶しています。
補助金だよりの銭湯産業
実は銭湯は法律で様々な縛りがあり「公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律」や、料金を自由に決められないなどこれまでの歴史的経緯から役所からも公共性の高いものと認められています。なので、高齢者夫婦で切り盛りしている銭湯も補助金に頼りながらなんとかやっていましたが、補助金だよりの産業は未来がないのが見えており、後継者が現れないなどの影響に加え、家風呂が一般的になった今現在、ただ、体をきれいにするための銭湯は役目がなくなってしまいました。さらに、ここ10年で郊外を中心にアミューズメント性のあるスーパー銭湯が増えたので、銭湯の居場所がさらになくなってしまったのです。
久松湯ももともとはどこにでもあるような銭湯でしたが、老朽化による建て替えの際に店主が思い切った戦略を打ち出しました。
久松湯の戦略
以下が久松湯の大きな戦略ポイントです。
・どの銭湯よりもダントツにスタイリッシュでオシャレ
・都内の銭湯で数件しかない天然温泉
・銭湯で定番のペンキ絵でなくプロジェクションマッピングを採用
実際の写真を見てもきれいですよね!このクオリティでほかの銭湯と同じ460円で入浴できるんです!
一般的な収支
銭湯の一日の平均的な入浴者数は130人前後といわれていますので、1日の収入は約60,000円です。しかし、光熱費、ボイラーのメンテナンス代等の経費を差し引くと店主夫婦二人で切り盛りしてやっとトントンになるのではないでしょうか?
久松湯は?
そんな中で久松湯は平日のお昼でも70人ほどのお客さんで盛況です。夜も含めると銭湯の平均客数を大きく超すでしょう!さらに客層もこれまで利用していた高齢者層に加え、立地的にも近隣に武蔵大、武蔵野音大、日大芸術学部など若い人も多く住んでいるので、そういった若い人たちを久松湯に取り込むなど新たな客層の開拓に成功しています。以上からも、斜陽産業である銭湯に新たな可能性を示した久松湯に追随する銭湯が現れるかどうか今後に期待ですね!
私が住んでいる雑司ヶ谷にも、久松湯のようにわくわくするような銭湯が現れないかな?と期待しています。
久松湯のアクセス
東京都練馬区桜台4丁目32−15
11:00-23:00(火曜日定休日)